「自転しながら公転する」

「自転しながら公転する」
図書館予約本、順番待ちだったがやっと読めた。


主人公が若いからか、自分に重ね合わせて読むことはできず、
かなり端折って読んでいたけど、途中から自分の子供世代の話しだと、
まるで自分の子供の周りの話のような感覚で読み進めていった。


でもなぜだか最後の最後で、自分が恋愛しているような錯覚を覚え、
読み終わった時には、夫と自分の昔を思い出していた。


夫から結婚したいと言われた時、自分としてはまだ早すぎて、
そんな重大な事、簡単に決められないと思った。


本当に悩んで悩み、その頃の私はひよっこで、
幸せって自分が自分を幸せにすることで、
誰かに幸せにしてもらう事じゃないと、生意気にも思っていた。


だからなかなか何ヶ月も答えが出なかったけれど、
この人が幸せになってほしいか?自問したら、
答えは「はい、この人に幸せになってもらいたいです。」だった。


それからはもう何の悩みもなく、彼と結婚することに心は決まった。
だって、彼は私と結婚したいと言っているんだから。
それが彼の幸せならば、「はい、喜んで。」って、
それまでの悩んだ時間は何だったのかというほど、呆気なかった。


アナウンサーのミトちゃんが、結婚報告の中で、
「わたしが彼を幸せにします!」って言っているのを聞いて、
昔のそんなことを思い出した。


結婚後、どんな結婚生活を送れるかは、自分だけではなく相手次第でもある事も学んだ。


今、細く細くなってしまった彼の寝姿をみて、
わたしはあなたを幸せにしてこれたのかな、とふと考えた。

人って、わたしは今幸せか?なんてそんな事、
普段は意識せず生きてるよね。
その時その時の中でそれなりに懸命に生きていて、
そんな当たり前と思っていた生活が当たり前でなくなった時、
初めて「幸せ」ってものを意識した。